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- 中学校
特別授業「ウールラボ」
~身近な衣服から学ぶ、素材と命のつながり~
中学1年生の家庭科の授業で、本校の制服製作を担当してくださっている企業の方を講師にお迎えし、特別授業「ウールラボ」を実施しました。
授業では、実際に羊の毛から糸を紡ぐ体験を通して、衣服がどのように作られていくのかを学びました。ふわふわとした羊毛が、手作業で丁寧に糸になっていく様子に、生徒たちは驚きと興味を持って取り組んでいました。
また、綿・ポリエステル・ウールの3種類の繊維を使って、吸水性・難燃性・防しわ性といった性質の違いを調べる実験も実施しました。見た目は似ていても、それぞれの素材に異なる特徴があることを、体験的に学ぶことができました。
さらに、「天然繊維で作られた衣服は自然に還る」という生分解性についても学びました。自然由来の素材でできた衣服は、土の中や海の環境に置かれると、微生物の働きによって少しずつ分解され、最終的には自然に還っていくことを、実際の事例や映像を通して知ることができました。
対照的に、ポリエステルなどの化学繊維は分解に数百年かかることもあり、マイクロプラスチック問題とも深く関わっていることを学びました。環境への影響を知ることで、普段着ている服が地球環境と密接につながっていることを実感する機会となりました。
また、近年注目されている「ファストファッション」と「スローファッション」についても学習しました。安価で大量に流通するファストファッションの利便性と、その背景にある環境負荷や労働問題について考えることで、衣服の選び方や使い方への意識が高まりました。
生徒からは「服の裏側にこんなにたくさんの工程や工夫があるとは知らなかった」「これからはもっと服を大切にしたい」「海にも優しい服があると知って驚いた」などの声が寄せられました。
自分たちの生活に身近な「衣服」を通して、素材・労働・環境・命の循環といった多角的なテーマに触れることができました。


